Direct Sourcing Solutions Asia 協力記事 データサイエンスはビジネスに使えるか? 前編

※本記事はDirect Sourcing Solutions Asiaのチーフデータサイエンティスト、Jarrod氏協力のもと、お届けしております。

皆さんも“データサイエンス”という用語を最近いろいろなところで耳にすることと思います。


しかしながら、私がシンガポールのChang Clan Association、アリババ、

A*Star(シンガポール科学技術研究庁)、PSB Academy(教育機関)などのイベントで講演した際、いつも一番頻繁にビジネスパーソンから聞かれるのは、

「つまるところ“データサイエンス”って何ですか?」という質問です。 

それに対して私はこう説明しています。


歩いて飲み屋に入っていったとき、バーテンダーがあなたに「いつものにしますか」と聞いてくれたと想像してみてください。あなたは覚えてもらえたことに喜んで、そのドリンクを受け取り、おそらく、もっと頻繁にその店に行くようになるでしょう。すでにこれはプロファイリング、データサイエンスの一つです。

小売店レベルでは、データサイエンスとは適切なときに顧客が欲しがっている商品を知る方法の一つ。バーテンダーが先にあなたをプロファイルしたのと同じように、データサイエンティストは洗練されたアルゴリズムを使い、膨大な量のデータベースを活用し、顧客をプロファイルしているのです。


アマゾンとグーグルはデータサイエンスに依存しており、データサイエンスは世界のこの分野でも広く使われています。


例えばあるシンガポールの電話会社は一連のマシーンラーニングのモデルをうまく組み込み、顧客へのマーケティングメッセージをカスタマイズしています。これによりそれぞれの顧客に適切な製品を提案できるのです。

その企業のマーケティングチームは再契約してほしいモバイル顧客へ提案する特典や、モバイルTVチャンネルを購読していないプレミアム顧客にお気に入りのTVチャンネスを提案するときの特典をカスタマイズして選択できます。

ある家電企業は、どのTV顧客がもう一台TVを買うチャンスが高いかを特定するためにマシーンラーニングモデルを採用しました。このモデルは、顧客に接触するのに一番いいTV番組は何か、そして高確率で買いそうな顧客に売り込むべきテレビのサイズとモデルを特定するのに役立ちました。

3つ目はEコマース企業の例ですが、この企業は顧客の過去の購入履歴に基づき、次に売り込む商品カテゴリーを決めるのにマシーンラーニングモデルを使いました。


これら3つのプロジェクトでは私がマシーンラーニングモデルを構築しましたが、すべての企業が通常のROI(投資利益率)よりも高い数字を出したことをお伝えしたいと思います。この理由は明白で、3企業とも顧客の個人的なニーズに応えたからです。

あなたはそれなら大量のメールマーケティングのほうがいくつかのメールは最終的に顧客に届くので、いい選択肢なんじゃないかと思うかもしれません。

しかしながら、大量のEメールキャンペーンには弱点があります。


先ほど例に挙げたバーテンダーが、何度もあなたが好きではないシャルドネを繰り返し勧めてきたと想像してみてください。あなたはいらいらして、ドリンクを求めてどこかほかの場所に行かざるを得ないかもしれません。

データサイエンティストが常に目指しているのは、適切なメッセージを適切な客用にカスタマイズして、最終的にビジネスのROIに影響を与える開封率、クリックスルー率、コンバージョン率を高めることです。

それでは、適切なタイミングで適切な顧客に適切な製品を見つけるにはどうすればいいでしょうか?

さて、それについては次回の記事でご紹介をさせていただきたいと思います。


Jarrod Teo

15年間、IBM SPSS, Nielsen, 楽天、サムソンといった有名企業を含む複数企業でマシンラーニングモデルを構築してきた、DSS AsiaのチーフデータサイエンティストであるJarrod。若いデータサイエンティストの育成、サポートにも熱心で、イベント等でのデータサイエンスについて講演経験も多数。

jarrod.teo@dss.asia.

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