シンガポール発、廃棄物管理スタートアップが 野村より2,500万USドル調達

2030年末までにアジアは世界の中間層消費の半分を占めると予測されており、 廃棄物の発生率はこの資源の需要増加に伴い、急上昇する。 

固形廃棄物、特にプラスチックと有機廃棄物は、この地域で気候変動に取り組み、海洋汚染を削減しようと努力する、発展途上国にとって重要課題だ。


“収集、処理、 廃棄が切り離されており非効率的な、アジアの伝統的かつ断片化された廃棄物処理パラダイム。これを超えるソリューションを提供することで、この危機を回避するサポートをする”

というビジョンを持ち、設立されたBlue Planet Environmental Solutions Pte Ltd (Blue Planet)。


2020年3月24日、シンガポールに本社を置くこのスタートアップは、アジアのグローバル金融サービス・グループ、野村から2,500万USドルを調達したことを発表した。


発生から回収まで廃棄物管理プロセス全体にわたり、第三者が介入しないようにすることで、Blue Planetは、“社会すべての人を包み支えるソーシャルインクルージョン”、“資源効率”、“持続可能性”を中心とした廃棄物管理の新基準導入を目指している。

アジア地域(日本除く)で野村のローンとプリンシパルインベストメント(自己資金投資)エリアが戦略的に関わることで、同社はこの地域周辺における一括統合型、持続的な廃棄物管理ソリューション開発に継続的に取り組めることとなる。


Blue Planetの主な製品の1つは、嫌気性消化技術を使用して有機性廃棄物をエネルギーおよび高価値の堆肥に変換するというもの。 その他のソリューションとしては、使い捨てプラスチックの燃料油への変換、不活性廃棄物から作られたジオポリマーの再生コンクリートブロック、危険性のない化学プロセスを使っての電子廃棄物からの貴金属の回収などがある。


国連の評価によると、アジアは持続可能な開発目標・SDGsにおける3つの項目、SDG 6(安全な水とトイレを世界中に)、SDG 8(働きがいも経済成長も)、SDG 12(つくる責任つかう責任)において遅れを取っているとのこと。

Blue Planetのソリューションは、組織と国がこれら3つのパフォーマンス指標に直接の影響を与えるのを助ける。


アジアでは、クリーンテクノロジー、再生可能エネルギー、廃棄物など、環境と社会の進歩に積極的に貢献している企業への資本流入が全体的に増加している。

特に日本は、アジアにおける環境、社会、ガバナンス(ESG)投資の先駆けであり、国の報告基準改定、持続可能性に焦点を当てた日本版スチュワードシップコード(機関投資家の行動規範)、公共政策により、その取り組みの拡大に大きな前進を遂げている。


ブループラネットの共同創設者であるBharadwaj Chivukula氏は

「Blue Planetへの野村の投資は私たちの能力の証であり、持続可能な収益性の高いビジネスを成長させながらも、チームと協力して地域にインパクトを与えることを楽しみにしています。」と語った。

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