Grabが中小企業のニューノーマル適応を支援

人と接触ができないということから、あらゆるサービス、業種でオンラインサービスへの適応が求められる状況となった、今回のCOVID-19パンデミック。


東南アジアで配車アプリをはじめ、様々なサービスを展開するGrab(グラブ)は、東南アジアの中小企業がニューノーマルに適応するための支援を目的としたSmall Business Booster Programを発表した。


オフラインのビジネスをオンラインに移行しやすくするためのツールや取り組みが含まれ、また、既にGrabプラットフォームを利用している企業に対してはビジネスを広め、ますますデジタルに依存する世界にオペレーションを適応できるよう支援する。

このプログラムは、従来のビジネスや小規模ビジネスをデジタル化し、成長するデジタル経済の波に乗れるようにするという同社の長期的なコミットメントの一環となる。


「COVID-19は変化を加速させました。オンラインサービスへの依存度がほぼ一晩で指数関数的に増加するのを見てきました。これにより東南アジアのイノベーションに拍車がかかると同時に、デジタルデバイド(情報格差)が広がる危険にもさらされています。東南アジアの経済のバックボーンである中小企業、これらのビジネスの大部分はオフラインです。

中小企業はテクノロジーを採用し、デジタル化しなければならない、さもなければさらに遅れをとるリスクを負うことになります。我々のスモールビジネスブースタープログラムを通じて、中小企業がこのニューノーマルを乗り切る手助けをしたいと考えています。テクノロジーを活用し、すべての人を包括的にサポートできるビジネスの新しい方法を模索します。」とGrabのコーファウンダー、Hooi Ling Tan氏は語った。


調査によると、まだ東南アジアの中小企業ではオンラインで事業を展開しているのはたった34%、シンガポールの中小企業においてはデジタル化戦略を実施しているのはおよそ半数という。


中小企業のビジネスのデジタル化促進を目的としたSmall Business Booster Programでは、Grabのプラットフォームでのバーチャル商店の提供や電子決済の統合を通じてデジタル化を支援する。


主な内容は以下の通り。


“GrabMerchant”は、コストを抑えながら、オンライン顧客基盤の拡大、業務の最適化を支援する、ビジネスオーナー向けオールインワンセルフサービス販売者プラットフォーム。

Grab Merchant Partner (Grab契約業者)が卸価格でサプライ品を購入することができるほか、フードビジネス事業者が、オンラインストアを作り、キャッシュレス決済オプションを設定して、24時間以内にGrabでオンラインサービスをオープンできるように支援。

そのほかにもセールス、オペレーション、顧客の購買行動習慣、およびマーケティングキャンペーンの効果を把握できるツール・Insightや独自の食品バナーと食品検索広告作成ツールなどがある。

GrabMerchantはアプリおよびWebポータルとして利用できるようになる予定で、6月中旬からアプリがシンガポールで段階的に展開、続いて2020年7月からウェブポータルが展開予定。


 “Offline to Online (O2O) Merchant Support Programme”はGrabがEコマースソリューションプロバイダーとのパートナーシップにより、オフラインビジネスのオンラインへの移行を可能にするプログラム。

GrabのリモートGrabPayリンクソリューションは、支払いのために顧客に送信できるURLを販売者に提供。販売者は即座にGrabPayクレジットを受け取ることができる。シンガポールとマレーシアでの開始から数週間以内に、2,500以上のマーチャントパートナーがこの機能を使っている。

最初にShopmaticやその他のパートナーとともにシンガポールでの展開をスタートし、その後マレーシアとフィリピンで展開予定。


Merchant Discoveryはビジネスを見つけてもらう可能性を高め、実店舗への足を運んでもらう機会を増やすことを目的とした機能。 2020年第3四半期の初めから、Grabユーザーは、GrabアプリのNearby Merchants widgetを介して、近くの業者を表示できるようになる予定。 Merchant Discoveryにサインアップする企業は、近くにいる顧客に店舗に来てもらい、購入してもらうためにプロモーションを提案することもできるようになる。


そのほかにも、Grabは7月から、東南アジア地域全体で6,000の地元企業向けに350万USドル相当の無料のパーソナライズド広告を作成するとしている。


また、Grabは、2020年3月から4月の間に、78,000以上の業者がグラブプラットフォームに参加し、この期間、中小企業のグラブ経由でのオンライン収益が21%増加したと述べている。

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